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高齢者なら誰でもホスピスに入居できる?病院や介護施設との違いとは?
もし病気が治癒しないと分かった場合、最期の瞬間まで治療することを望みますか?それとも穏やかに最期を迎えることを望みますか?
医師から治療方法がない・効果が期待できないと伝えられても、最期まで治療を望むのも1つの選択肢です。
また反対に、治療行為を受けずに苦痛を和らげてもらい、残された時間を自分らしく過ごすというのも1つの選択肢です。
そして治療行為を受けないという選択肢を選んだ場合には、介護施設への入居だけでなくホスピスへの入居を考えるべきかもしれません。
そこでこの記事では、ホスピスという施設の役割や入居条件などをご紹介していきますので、万が一の事態に備えて参考になさってください。
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ホスピスとは
ホスピスとは、延命治療を望まない人達の苦痛を和らげ、穏やかに最期を迎えられるようにサポートをする施設です。
治療による回復が見込めない人達や医師から余命宣告を告げられた人達が、最期の瞬間まで自分らしく過ごせるように手伝ってくれます。
また治癒や治療を目的としていないため、延命治療などは行いません。
あくまでも病気によってもたらされる痛みなどを和らげ、心穏やかに余生を過ごすことを重視する施設になります。
ホスピスへの入居条件
病気を患っている人達であれば誰でも入居ができるというわけではありませんので、注意が必要になります。
・治癒が望めない病気
・治療行為や延命治療を望んでいない&理解している
・終末期の患者
・癌やエイズなどの難病を患っている
ホスピスへの入居には主に上記のような条件が定められているため、治癒が見込める病気や治療行為を望む場合には、入居できません。
そして癌患者やエイズなど難病指定されている患者と入居条件が定められている施設もありますが、治癒が望めない状態であれば、年齢や病気の進行具合などに関係なく入居できる施設もあります。
つまり癌や難病でない病気の場合でも本人が希望すれば入居ができる施設もあるため、事前に確認してください。
ただし、入居する本人が治療行為や延命治療を受けられないことを理解していない場合には、入居を断られることがあるかもしれません。
ホスピスでのケア内容
終末期を穏やかな気持ちで過ごしてもらうことが目的のため、ホスピスでは大きく分けて3つのケアを受けることが可能です。
ホスピスで受けられる3つのケアについて、それぞれご紹介していきますので、参考になさってください。
身体的ケア
入居者が心穏やかな状態で自分らしく過ごせるように、必要なケアを提供してくれます。
緩和目的の医療行為を受けられるだけでなく、食事や入浴そして排泄の介助まで対応してくれるため、最期の瞬間まで快適に過ごせるかもしれません。
また緩和目的の医療行為というのは、入居者が不快な状態や苦痛を感じる状態を脱するように、症状や訴えに合わせた処置を施してくれます。
例えば、痛みを訴える場合には鎮痛剤や医療用麻薬などを投与したり、点滴などの処置を受けることも可能です。
そして息苦しさを訴える場合には酸素吸入などにも対応してくれるため、不快な状態や苦痛を感じにくい状況を保てます。
精神的ケア
終末期に対する不安や恐怖などといった感情のケアにも対応してくれ、入居者や家族の精神的な負担が軽くなるようにサポートをしてくれます。
心穏やかに過ごすためには、肉体的な苦痛を和らげるだけでなく、精神的な苦痛を和らげることも大切だからです。
心理士や時には宗教家といった専門家と面談をして精神的な苦痛を和らげる場合もあれば、楽しい時間を過ごせるようにレクリエーションなどを取り入れる場合もあります。
そして孤独感を感じないための対応として家族が泊まれる施設もあるため、事前に確認してください。
社会的ケア
入居費用の負担など金銭的な問題や、相続などの経済的な問題を抱えている入居者に対しては、ソーシャルワーカーなどの専門家がサポートをしてくれます。
利用できる制度を教えてくれたり、時には役所への橋渡しなどを行なってくれる施設もあります。
病院との違い
緩和ケア病棟はホスピスと同じともいえますが、一般病棟の場合にはホスピスとは全く違う施設になります。
基本的に病院という施設は、病気を治癒したり患者を回復させることが目的で医療行為を行います。
しかし、ホスピスで施される医療行為は苦痛を和らげるためですから、病気の治癒や回復目的ではありません。
・病院では治療が目的で医療行為を行う
・ホスピスでは痛みや苦痛を和らげるための医療行為しか行わない
上記のような違いがあるため、病院とホスピスは全く違う施設だといえます。
そして病院では基本的に延命処置を行なって蘇生を試みますが、ホスピスの場合は自然に委ねることになります。
ただし最初にも触れたように病院内の「緩和ケア病棟」に関しては、ホスピス同様に治療目的での医療行為は行わず、苦痛を和らげる医療行為のみを希望することが可能です。
介護施設との違い
高齢者のための施設である介護施設は、基本的にホスピスとは全く違う施設になります。
医療行為が受けられない場合もある
認知症を発症した高齢者や介護が必要な人達を受け入れる施設のため、基本的に介護は受けられても医療行為を受けられるとは限りません。
医療に特化している介護施設でなければ、医療行為を行える医師や看護師などが在中していない場合が多いからです。
また看護師などが在中している施設でも、介護士は24時間常駐していても看護師は不在という場合もあります。
ホスピスでは基本的に24時間いつでも医療行為が受けられますが、介護施設では医療行為が受けられないという違いがあります。
入居を拒否される場合もある
看取りに対応している施設でなければ、終末期の入居者を受け入れない可能性もあります。
要支援や要介護1~2までの高齢者に対応している介護施設もあるため、介護度が重くなった場合には退居を求められる場合もあります。
また医療に特化した・対応できる施設でなければ、症状が安定していても入居を拒否する可能性が高いです。
しかしホスピスでは、症状の重さや進行具合などで入居を拒否することはありません。
介護施設でもホスピスと同じケアを受けることはできる?
介護施設の中でも、特養や一部のサービス付き高齢者向け施設であれば、ホスピスと同じケアを受けることができる場合もあります。
医療行為が行える看護師が24時間常駐している施設であれば、いつでも緩和ケアを受けることができるからです。
また特養は看取りにも対応している介護施設のため、終末期の入居者でも受け入れを拒否することは基本的にはありません。
ただしホスピスの入居条件と同じように、治療を希望する場合には入居を断られる可能性はあります。
ホスピスの費用
利用する施設によって負担する費用額が変わってくるため、ホスピスの費用額をはっきりと断言することは難しいといえます。
【緩和ケア病棟を利用した場合】
入院料・食事代・差額ベッド代・自費負担分(おむつや寝具のレンタル等)・受けた医療行為に対する費用
【特養などの介護施設を利用した場合】
居住費・管理費・食費・介護サービス自己負担分
利用する施設によってこれらの費用が必要になるため、一概に1ヶ月あたり○○円という費用を算出することが難しくなります。
しかしあくまでも目安の費用額になりますが、高額療養費制度や高額介護サービス費制度などを利用すれば、1ヶ月あたり6~10万円程度の自己負担額に抑えることは可能かもしれません。
ただし収入などによっては高額療養費や高額介護サービス費の限度額に差が生じるため、先ほどの金額より高額になる可能性はあります。
利用する施設を選ぶ際には、必要な費用額の目安や自分の限度額を確認することが大切です。
まとめ
治癒が見込めない病気を患った場合には、ホスピスを利用して心穏やかに過ごすという選択肢もあります。
治療が目的の医療行為は受けられませんが、緩和目的での医療行為は可能なため、症状が進行した場合でも症状に応じた対処を望めます。
また、緩和ケア病棟に入院するのに抵抗を感じるのであれば、看取りに対応しており医師や看護師などが24時間常駐している介護施設で過ごすことも可能です。
今は健康だとしても、万が一の場合に備えて、最期を迎えるまでの過ごし方を考えておくことも大切ではないでしょうか。
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