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おひとりさまの終活に必要な身元保証とは?メリットや注意点を解説
最近増えている「おひとりさま」とは、いったいどんな人のことでしょうか?
生涯結婚をしないひと
離婚して一人で暮らしているひと
配偶者に先立たれたひと
上記の人々で、お子さんや親族など頼れる人がいない人を指します。
この記事ではおひとりさまが終活をする際に必要になる身元保証サービスについてご紹介します。
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おひとりさまの割合
国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集 2022年版」を参考に、最新の50歳時のおひとりさまの割合を理由別にご紹介します。
2020年 50歳時のおひとりさまの割合:男性・女性
未婚:28.25%・17.81%
離別:6.50%・10.64%
死別:0.50%・1.49%
合計:35.25%・29.94%
こちらのデータからは、男女どちらも3割前後がおひとりさまだということがわかります。
身元保証人とは?
だんだんと年を重ねていくなかで「身元保証人」が必要になることがあります。
身元保証人とは、その名の通り身元を保証してくれる人のことを指します。
身元保証人の役割
身元を保証してくれるとは、どのようなことを指すのでしょうか?
おひとりさまに何かがあり介護施設や医療機関への支払いが滞ったとき、家族や親族がいない場合は請求先がなくなるため、施設側は困ってしまいます。
このような場合に、ご本人に代わり施設への支払い義務を担うことが主な役割です。
身元引受人・連帯保証人・後見人との違い
【身元引受人】
身元保証人と同義で使われることが多く、その役割は施設によって異なります。
特に、介護施設や医療機関にてご本人が亡くなったときにご遺体を引き受ける人として認識されています。
【連帯保証人】
借金などの金銭トラブルでよく見かける言葉です。
しかし、金銭のみならず全ての損害について賠償する責任を担います。
また、連帯保証人は断ることができないという特質があるので、責任がひと際重いと認識しておきましょう。
【後見人】
高齢者のみではなく、未成年や障がい者などの判断能力が不十分な人を保護する役割を担います。
財産管理を委任されているため、財産の使い道についての決定権を持っています。
ただし、本人の死亡と同時に役目が終わるので、死後の財産管理は行えません。
おひとりさまに身元保証が必要な場面
それぞれの思いを持ちながらおひとりさまとして生きていくなかで、身元保証が必要な場面が訪れます。
・医療機関への入院
・老人ホームへの入居時
上記の場面でどのような役割のために身元保証人が必要になるのか、具体的に確認していきましょう。
入院時
医療機関に入院するときに、場合によっては身元保証人を求められます。
・急変などの緊急時の連絡を受ける
・医療費など入院にかかる費用の支払いを保証する
・本人の意思確認が不可能なときに治療方針の決定・同意を行う(輸血や延命措置など)
以上の役割を担うため、医療機関によっては身元保証人がいないと入院を断ることがあります。
老人ホームへの入居時
老人ホームに入居するときにも、身元保証人を求められることがあります。
・急変などの緊急時の連絡を受ける
・老人ホーム内でかかる費用の支払いを保証する
・入居後のトラブル相談について連絡を受ける
・退去時の手続きを行う
・退去時に居室の原状回復を行う
以上の役割を担うため、老人ホームの運営には欠かせない存在といえます。
死亡時
介護施設や医療機関で亡くなったあとにも、身元保証人が必要になります。
・ご遺体の引き取りを行う
・葬儀の準備を行う
・介護施設や医療機関の私物や遺留品を引き取る
・埋葬の手続きを行う
・相続手続きを行う
以上の役割があることから、各施設では身元保証人を必須としていることが多いようです。
おひとりさま以外にも身元保証が必要な人
生涯結婚していない、または離別や死別をした場合以外に、
・身内はいるけど遠方のため緊急時に対応ができない
・疎遠になっているので頼ることができない
といった方も、身元保証人が必要になる場面があります。
おひとりさまへの身元保証サービスとは?
身元保証人がいないと、介護施設への入居や医療機関への入院ができないケースが多々あります。
そこで、身元保証人の役割を引き受けてくれる身元保証サービスが存在します。
今まで解説してきた
・介護施設や医療機関での身元保証
・死亡後の事務手続き
といった身元保証人の役割だけでなく、日常生活で必要な買い物のサポートや通院時の付き添いなどのオプションサービスもあります。
身元保証サービスを利用するメリット
身元保証サービスを利用すると、以下のようなメリットがあります。
・入院など急に身元保証人が必要な場面で困らない
・サービスとして利用しているので遠慮しなくて済む
・日常生活でもサポートしてもらえる
親族を頼ることがよいと思われがちですが、本当にそうでしょうか。親族にも親族の生活があることから、遠方へ転居してしまったり、役割を果たさず施設側を困らせてしまったりする身元保証人も存在します。
きちんとお金を支払ってお願いする身元保証サービスなら、気兼ねせずにサポートを依頼し、もしものときの支払いや手続きもトラブルなく遂行してもらえるでしょう。
身元保証サービスを契約する際の注意点
身元保証サービスを契約するときに注意したいことをご紹介します。
支払いが可能か、よく検討する
サービスの契約を検討しているときは在職中でも、体の不調や事故などで突然職を失うこともあります。医療費が思ったよりもかかるなどで、残る資産に不安を抱くこともあるでしょう。契約する際は、今後も月々の支払いに無理がないかをよく検討しましょう。
解約方法を確認する
転居で離れていた親族が近くに戻ってきたことを理由に身元保証人になってくれることもあります。そのような場合には、解約の検討が必要です。無駄な費用を払うことがないように、何か月前までに解約を申請するのかなどを、契約前に確認しておくと安心です。
評判や経営破綻の恐れがないかを確認する
身元保証サービスは、信頼できるかが大切です。
突然経営破綻してしまうと、払った費用についてトラブルになることも考えられます。
周囲に使っている方がいる場合には、契約前に評判を聞いておきましょう。
必要なサービスのみ契約する
サービスには、さまざまなプランやオプションが用意されています。
買い物などの日常生活サポートはまだいらない、などそれぞれに必要なサービスは異なります。
どのような場面で必要としているのかを考えて契約しましょう。
身元保証サービス以外の選択肢
身元保証サービスの利用が難しい場合もあります。
そんなとき、介護施設や医療機関を利用できないようでは困ってしまいます。
サービスの利用以外の選択肢についても確認しておきましょう。
自治体の支援窓口や地域包括支援センターに相談する
自治体では住民に対して医療や福祉のさまざまなサービスを提供しており、身寄りがないおひとりさまを支援するサービスを行う自治体もあります。
どこに問い合わせたらいいかわからない場合は、自治体の支援窓口や地域包括支援センターに相談してみましょう。
成年後見制度を利用する
判断力がある方が利用する場合には「任意後見制度」を利用します。
身元保証人とは異なりますが、施設によっては後見人がいれば入居・入院が可能といったこともありますので確認してみましょう。
保証会社を利用する
身元保証サービスとは違い、施設が提携する民間保証会社を利用する方法です。所定の保証料を支払うことで、もしものときに一定額までの債務を保証します。
入院預かり金(入院保証金)を支払う
入院するときに、病院から示された金額の預り金を支払うシステムです。
退院時に、実際にかかった金額を引いた差額を精算します。
事前にある程度の金額を支払うことで、病院側は未払いを防げることから連帯保証人も不要です。
クレジットカード番号を登録する
医療機関によっては、支払い方法としてクレジットカードを登録することで身元保証人を不要とすることがあります。入院預り金や保証会社への支払いのように、入院前にまとまった現金を納める必要がないため利用しやすいでしょう。
身元保証がいらない施設を探す
数は少ないですが、身元保証がいらない施設もあります。または、後見人さえいれば入居・入院できるなどの条件を用意していることもあります。
まとめ
最近では、さまざまな理由によりお子さんや親族などの頼れる人がいない「おひとりさま」が増えてきています。その割合は全体の3割まで増えており、身元を保証してくれるひとがいなくて困ってしまうという事態も発生しています。
そして、おひとりさまの施設入居や入院を支えるサービスとして、身元保証サービスに注目が集まっています。
・支払い金額に無理がないか
・評判や経営状況は悪くないか
・契約するサービスに過不足はないか
といった点に注意しながら、自分に合った身元保証サービスを探していきましょう。
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