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墓じまいのいいタイミングは?その後の選択肢まで丁寧に解説

誰もお参りにいけない立地である、お墓を守る人がいなくなる、金銭的に維持し続けることが難しくなってきたなど、「墓じまい」について考えるきっかけはさまざまでしょう。

墓じまいをしたいと思っても、タイミングや準備、そもそも何から手を付けるべきかわからないこともあると思います。

本記事では墓じまいの流れやおすすめの時期、必要な準備について解説します。

終活のコレカラ 終活ライフケアプランナー

監修井坂 真紀子(いさか まきこ)

施設にご入居をご希望されるお客様には、最適なお住まいをお選びいただけるようご入居までしっかりとサポートいたします。おひとり様やご家族と離れてお暮らしの方、そのご家族様はご不安なお気持ちもあるかと思います。そのお気持ちに寄り添い、ご不安や心配ごとが解消するまで全力でサポートさせていただきます。どんな些細なことでも、まずはご相談ください。

墓じまいとは

墓じまいは墓石を解体・撤去し、更地にして敷地の使用権を管理者に返すことをいいます。

同じような意味で改葬という言葉があります。
改葬は新しいお墓に遺骨を移すことを指し、簡単にいうと遺骨の引っ越しです。

改葬の一工程が墓じまいだとイメージするといいでしょう。

墓じまいの流れ

墓じまいの流れは大きく分けて5つの工程になります。

1.親族・寺院・石材店に相談
2.新しい場所を決める
3.行政手続き
4.閉眼供養
5.墓石の解体・土地の返還

それぞれ詳しく解説します。

親族・寺院・石材店に相談

まずは墓じまいに納得してもらえるか親族に相談しましょう。

親族からの了承を得てからお墓を置いている寺院には墓じまいの旨を、石材店には墓石の解体・撤去の依頼をします。

新しい場所を決める

別の場所でお墓を建てるのか、別の方法で供養するのかはさまざまですが、墓じまいをした後の遺骨の行き先を決めておきます。

別の供養方法については後ほど詳しく説明します。

行政手続き

墓石を撤去し遺骨を移動させるためには行政での手続きが必要です。

遺骨1つにつき1枚の許可証が必要になります。
必ず遺骨の数を把握してから手続きを進めましょう。

必ず用意するものは
受け入れ証明書 (遺骨の受け入れ先から取得)
埋葬証明書   (墓地の管理者から取得)
改葬許可申請書 (墓地がある役所から取得)

この3枚になります。

場合によっては申請者の身分証明書や承諾書も必要になるので、各自治体や墓地の管理者に確認しましょう。

必要書類を提出することで役所から改葬許可証が交付され、墓石の解体作業を行うことができるようになります。

閉眼供養

閉眼供養は別名魂抜きといい、墓石に宿っている魂を抜く儀式です。

墓石にはご先祖の魂が宿っているという考えがあります。
絶対に行う必要はないですが、閉眼供養をしてもらうことが多いです。

墓石の解体・土地の返還

閉眼供養してもらった墓石を石材店に解体、更地にしてもらい土地の管理者に返還します。
これで墓じまい終了です。

この後は改葬やその他別の方法で遺骨を供養します。

墓じまいにかかる期間

墓じまいにかかる期間には大きく差ができます。

早ければ1か月程度で終えることができますが、長ければ数年かかることもあります。

墓じまいの期間が長くなってしまう要因には寺院や石材店との都合が合わない、行政の書類の手配に時間がかかってしまうことが挙げられます。

墓じまいはいつしたらいい?

結論からいうと墓じまいの時期にルールはないため、いつでもいいです。

ですが避けた方がいいタイミングはあります。

避けた方がいいタイミング

避けた方がいいタイミングは閉眼供養や墓石の解体時期との関わりが強いです。

主に以下の3つの時期になります。

お盆、お彼岸など寺院の繁忙期

墓じまいの儀式、閉眼供養は僧侶に行ってもらうため、僧侶が忙しいお盆やお彼岸の時期は日程の調整が難しくなりやすいです。

墓じまいをスムーズに進めるには、寺院の繁忙期は避けた方が無難です。

年末年始

お盆やお彼岸にも当てはまりますが、年末年始はお墓参りに来る人が多く、人通りが多い中では墓石の解体・撤去はやりにくいです。

墓地に人が集まらない時期に墓じまいをしましょう。

梅雨時期や、豪雪地帯の冬期

墓石の解体は屋外での作業です。
天候が不安定な梅雨時期や豪雪地帯では積雪すると、墓石の解体作業がスムーズに進まなくなる恐れがあります。

解体業者側の作業のしやすさも考慮すると、梅雨時期や積雪する時期は避けましょう。

墓じまいでの服装

墓じまい時の服装は喪服でも構いませんが、平服が一般的です。

大人は暗い色のスーツやアンサンブル、子どもは制服か地味な服にします。

時計や華美なアクセサリー、上着を着る場合は革製品は避けましょう。
お墓の場所によっては動きやすい服装や靴も意識するといいです。

墓じまいでの持ち物

墓じまいの際に準備しておくものは以下の通りです。

お布施

閉眼供養で僧侶に読経してもらうのでお布施を渡します。

相場は3〜10万円ですが、僧侶や墓地とのお付き合いの長さや檀家を辞める場合の離檀料などでさらに値段が高くなることもあります。
不安ならばあらかじめ寺院に相談しておくのもいいでしょう。

墓地の場所や食事会などによっては御車代・御膳料が必要になります。

普段のお墓参りでの持ち物

最後のお墓参りとして、普段と同じものも用意しておきましょう。

香(お線香)、花、灯明(ロウソク)、水、飲食(果物やお菓子)の五供(ごくう)と呼ばれる5つがお供え物の基本です。

掃除用具

お墓を掃除するために掃除用具を準備しましょう。

雑巾やバケツ、スポンジ、ほうき、ちりとりのほか、周辺の掃除や草むしりのために軍手やゴミ袋もあると便利です。


墓じまい後の選択肢

永代供養

最近では、家のお墓を持たずに寺院や霊園に供養と管理をお願いする「永代供養(えいたいくよう)」が増えてきています。

自分たちでお墓を管理するよりは経済的な負担が少なく、後継者の必要がない点が好まれているようです。

永代供養で選択できる供養方法をいくつか紹介します。

デジタル墓地

デジタル墓地はインターネット上でお参りができる形態のお墓です。

墓石が実在する依存型ネット墓と、実際のお墓は存在しない単独型ネット墓があります。
依存型ネット墓では墓石にQRコードをつけて、そのQRコードを読み込むことでオンラインお墓参りができる点が喜ばれています。

お墓がデジタル化したため、手元に残る遺骨の保管や供養をどうするかを別に決める必要があります。

樹木葬

樹木葬は墓石の代わりに樹木を墓標にして、遺骨や遺灰を埋葬する供養方法です。

シンボルとなる樹木の周辺に埋めるパターンや、遺骨とともに新しく苗木を植えるパターンなど形式は多岐にわたります。

樹木が災害などでなくなってしまったり、合同で埋葬した場合は遺骨の埋葬場所がわからなくなる可能性があります。

手元供養

手元供養は自宅供養ともよばれ、遺骨や遺灰を自宅で管理する方法です。

小さな骨壺に入れたり、遺灰を入れたアクセサリーを身につけておくこともできます。
最近ではインテリアに遺灰を入れることもできます。

散骨

散骨は自然供養のひとつで、遺骨を遺灰にして撒く供養方法です。

いちばん有名な散骨方法は、所有権のない海洋に散布する海洋散骨です。
他にもヘリコプターや飛行機に乗って散布する空中散骨、ロケットやバルーンで宇宙空間まで流す宇宙散骨、山岳に登って土地に散布する山岳散骨があります。

散骨をすると遺骨が残らないので、一部を手元に残して手元供養もするという選択もできます。

まとめ

墓じまいには準備することが多いです。
時間がかかることを想定して法事の直前や天候が不安定になりやすい時期は始めない方がいいでしょう。

供養の選択肢も増えたこのご時世、墓じまいにはいいタイミングがたくさんあります。
墓じまいは親族のなかでも一大イベントとなるので、じっくり考えていきましょう。

終活のコレカラ 終活ライフケアプランナー

監修井坂 真紀子(いさか まきこ)

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