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リースバックで老後の資金を確保できる?メリットや注意点を解説!
人生100年時代となり「老後の資金は足りるの?」と悩みつつも、住み慣れた家からは離れられず自宅の売却を実行できない方もいます。
その悩みを解消できるのが「リースバック」です。自宅を売却してまとまった資金を手にし、家賃を払いながらそのまま住み続けられます。
この記事では、リースバックはどのような方法なのかメリットや注意点などを詳しく解説するので、自分に適しているのか検討してください。
終活のコレカラ 一級ファイナンシャルプランニング技能士/終活カウンセラー
これから40年の間に40%へ近付くとも言われています。「人生100年時代」を幸せに暮らすために、ひとり一人に合ったご提案をして参りたいと思います。ご不安や心配ごとが解消するまで全力でサポートさせていただきます。どんな些細なことでも、まずはご相談ください。
リースバックとは?
リースバックとは、自宅を売却して売却代金を受け取り、家賃を支払いながら今の家に住める不動産取引の方法です。
リースバックでは売却後に所有権がリースバック事業者に移り、賃貸契約を結び、家賃支払えば自宅にそのまま住めます。さらに売却代金は一時金で受け取れ、使い道の制限はありません。
年齢制限がなく、子どもの進学でまとまったお金が必要になった場合や、高齢者の方が老後資金を確保したい場合など幅広い年齢層で利用が可能です。
リースバックは生活環境を変えず、まとまったお金を手に入れる方法として注目され需要も増えています。
リバースモーゲージとの違い
リースバックが売却と賃貸の不動産取引ならば、リバースモーゲージは自宅を担保にした金融サービスです。どちらも自宅に住み続けながら資金を調達できますが、その仕組みに大きな違いがあります。
リースバックは自宅を売却して現金を受け取り家賃を支払うのに対して、リバースモーゲージは自宅を担保にしてお金を借り入れる方法です。本人が死亡後に自宅を売却して借入金を返済します。月々の利息の支払いはありますが、自宅の所有権は移らず家賃の支払いはありません。
また、リバースモーゲージでは年齢制限や借入金の用途など融資先により異なる条件が付くのがほとんどです。条件を確かめて正しく仕組みを理解してから、リースバックやリバースモーゲージの利用を検討しましょう。
高齢者がリースバックを利用するメリット
まとまった現金を調達でき、自宅に住み続けられるリースバックを高齢者が利用した際のメリットをご紹介します。
住環境を変えず生活できる
売却後に自宅に住み続け、今の住環境を変えず生活できるのはリースバックの特徴の一つです。
自宅を売却すると退去する必要があり引越さなければなりません。今まで住み慣れた環境を離れ、新しい生活やコミュニティに不安を感じる方は高齢になるほど多くなります。また、引越しにかかる費用や労力も高齢者には負担です。
リースバックなら生活環境を変えず、引越しにかかる負担もなく自宅を売却できます。
短期間で老後資金を確保できる
老後資金が短期間に一括で受け取れるのもリースバックの大きな特徴です。
自宅を売却するのには仲介業者が買い手を探しますが、すぐに見つかるとは限りません。買い手が見つかっても様々な手続きがあり、売却代金を手にするには早くても数か月かかってしまいます。
リースバックではリースバック事業者が一括で買い取るので、短期間で現金化でき急な入院や施設への入居などにも対応可能です。
住宅にかかるコストやリスクが削減できる
リースバックの利用で、住宅を維持するためにかかるコストや災害などで負うリスクを削減できます。
自宅には定期的に固定資産税や都市計画税などの税金などの様々なコストがつきものです。リースバックでは、リースバック事業者が維持管理を担うためにコストを削減できます。また、災害などで建物が倒壊や破損、資産価値が落ち売却できないなどのリスクもなくなり安心です。
相続問題の不安がなくなる
自宅を売却して現金化すれば相続問題の不安を解消できます。
自宅が遺産の多くを占めると、どのように分けるのか相続人の中で争いが起こるケースも少なくありません。リースバックで自宅を売却し事前に不動産の現金化をおこなえば、均等に分けやすくなり相続問題での争いを回避できます。
高齢者がリースバックを利用する際の注意点
リースバックにはメリットだけではなく注意が必要なので、利用する前にしっかり確認をしましょう。ここでは注意点を紹介します。
売却額が相場より安くなる傾向にある
リースバックでは市場価格より売却価格が低くなる傾向にあるので、注意が必要です。
売却価格はリースバック事業者によって異なりますが、物件の築年数、状態、地域によっても変動します。受け取る金額は市場価格の7~8割程度と見積もっていた方が無難です。
また売却価格が高くなれば家賃も高くなるのでバランスを考慮しながら検討しましょう。
賃貸契約には期限がある
リースバックの賃貸契約は、期限を設けている「定期借家契約」で結ばれる場合がほとんどです。
定期借家契約では、契約期間満了後にリースバック事業者との合意があれば再契約できますが、合意が得られない場合には退去しなければなりません。
事前に契約満了期間を長く設定したり、契約期限のない「普通借家契約」での契約が可能な事業者を探すなどの対応策も必要になります。
契約内容の理解と家族への相談
リースバックを利用する前に契約内容をよく理解し、トラブルを避けるため家族と相談しながら検討するのが重要です。
リースバックは売却と賃貸契約と2種類の取引があり、高齢者になると理解が難しくなります。理解しないまま契約すると不利益になったり、騙され不動産トラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。
様々なトラブルを避けるためにも、家族と一緒に契約内容を検討するのをおすすめします。
信頼できるリースバック事業者を選ぶ
大切な資産である自宅の売却なので、信頼のおけるリースバック事業者を選ぶと安心です。
リースバックでは、所有権がリースバック業者にあるので許可なく売却でき、知らない間に所有者が変わり家賃の値上げをされたなどのトラブルもあります。リースバックを利用する際には複数の事業者に問い合わせ、実績と資金力がある大手のリースバック事業者を選ぶといいでしょう。
老後資金を確保するその他方法
リースバック以外にも高齢者が老後資金を確保する方法があります。老後に目指しているライフスタイルにあった方法を見つけてください。
住み替えをする
現在の自宅に住み続けることにこだわりがない方は、自宅を売却したり家賃収入を得る方法も有効です。
●自宅を売却する
通常売却にはリースバックのように売却価格が相場より低くなったり、リバースモーゲージのように利用や売却金の使用に条件が付きません。
引越しが必要になりますが、割安な中古マンションを購入したり、地方へ移住するなどセカンドライフの選択が広がります。
●家賃収入を得る
家賃は安定した収入ですが、老後資金を確保するためには新しい住居の家賃を収入より低くするのが必須条件です。自宅には住めませんが売却せずに資産として持ち続けられます。
資産運用をする
資産運用も老後資金を増やす選択肢の一つです。預貯金は使い続ければいつかは無くなりますが、資産運用すると使いながら老後資金を増やせます。
リスクが小さくて効率的に増やせる「つみたてNISA」や「投資信託」などありますが、初心者がいきなり投資を始めて貯金を減らしては意味がありません。まずは、資産運用とはどんなものか学び、理解してから始めましょう。
リースバックの利用が適しているのはどんな人?
リースバックの利用が適している人をご紹介します。あてはまる方はリースバックの利用を検討して下さい。
ゆとりある老後を過ごしたい
自宅の売却代金を手にすると安心感が生まれ、自宅でゆとりある老後を過ごせます。
●住み慣れた自宅を離れたくない
老後資金を手に入れ住み慣れた自宅でセカンドライフを過ごせるのは魅力的です。ご近所様との付き合いも続き、生活環境の維持ができます。
●急にまとまったお金が必要になった
短期間で現金を受け取れるリースバックは、急にまとまったお金が必要になった方にもおすすめです。突然の病気やケガで長期の入院をしたり、借金の返済ができないなど急いで現金が欲しい場合に役立ちます。
●住宅ローンの返済に不安がある
まとまったお金をローン返済に充てられるので、不安を感じている方が利用するケースも少なくありません。完済することで生活の大きな負担の解消が可能です。
●高齢者住宅や老人ホームへ入所を検討している
介護が必要になり高齢者住宅や老人ホームへの入居を検討している場合、入所金などの必要経費が一括で用意できます。また、自宅で入所の順番を待てるのも安心です。
相続トラブルを避けたい
自宅を引き継ぐ相続人がいない場合、自宅を現金化すると遺産の分配がしやすくなり相続する際のトラブルを避けられます。
相続人がいない方は亡くなった後の自宅処分が不安ですが、リースバックではリースバック事業者がおこなうので心配いりません。
まとめ
この記事では、自宅に住み続けながら老後資金を確保できるリースバックのメリットや注意点などを紹介しました。
今の環境や目指している老後生活によって老後の資金確保の方法も変わってきます。メリットや注意点を確かめ、仕組みをよく理解した上で自分が適している方法を見つけてください。大切な資産の活用なので家族と一緒に検討するといいでしょう。
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