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介護リフォームに介護保険は使える?リフォーム事例なども解説
高齢となり介護が必要になると、住み慣れた自宅であっても危ないと感じる箇所が出てきます。日常生活を危険と隣り合わせで送ることは、介護される側だけでなく介護する側にとっても不安が増すことになります。
その様な状況で、自宅を暮らしやすくするためにリフォームする介護リフォーム。検討している人も多いのではないでしょうか。
この記事では、介護リフォームについて詳しく解説していきます。
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介護リフォームとは
介護リフォームとは、歳をとるにつれて身体能力が低下する高齢者や、病気や怪我で介護が必要となった人たちが少しでも暮らしやすくなるよう、自宅をリフォームすることをいいます。
廊下や階段に手すりを取り付ける、段差をなくしバリアフリーにするなど、身体への負担の軽減、転倒防止を目的とした施工が行われます。
介護リフォームの必要性は大きく分けて3つあります。
被介護者が暮らしやすくなる
介護が必要となったといっても、その状態は様々です。家の中を自力で移動できる被介護者にとっては、少しでも安心して生活できるようになります。自立した生活が活力をもたらすことになります。
介護者の負担を減らす
介護リフォームは介護者の負担を減らすことにもつながります。身体的負担のみならず、精神的負担も減らすことができます。
将来に備える
いずれ介護が必要になると考えた時、いざとなって大規模なリフォームを行うと、その間は仮住まいでの生活になるなどの不便な状況が予想されることもあります。前もってリフォームしておくことで安心できます。
介護リフォーム費用相場
介護リフォームにかかる費用は、どの様な工事をするかで大きく変わってきます。手すりの設置などは数万円でできるケースが多いですが、水回りの設備の設置などは数十万円という単位で費用がかかります。
一般的な費用相場を紹介しますので、参考程度に見てください。
手すりの設置・・・1〜20万円
浴室の改装・・・20〜150万円
トイレの改装・・・20〜100万円
玄関の改装・・・10〜50万円
廊下幅の拡張・・・30〜100万円
介護リフォーム費用負担に介護保険は使える?
介護保険制度には、「居宅介護(介護予防)住宅改修費」という枠があり、20万円を上限として介護リフォームの費用として支給されます。ただし、1割〜3割の利用者負担がありますので、20万円支給されるとしても1割負担であれば2万円は自己負担となります。
支給条件
居宅介護(介護予防)住宅改修費の支給を受けるには、いくつかの条件を満たす必要があります。
支給対象者は以下に当てはまっている必要があります。
・要支援、要介護の認定を受けている
・リフォームする住宅に住んでいる
また、支給対象となる施工は以下の6つに限られます。
・手すりの設置
・床の段差解消
・床の材質変更
・引き戸の設置
・和式から洋式へ便器変更
・上記に伴い必要となる施工
介護リフォームの手続きの流れ
介護保険を利用した介護リフォームの流れについて簡単に説明します。
1.介護認定を受ける
自治体から要介護もしくは要支援の認定を受けます。
2.ケアマネジャーに相談
ケアマネジャーに介護リフォームの相談をし、住宅改修のプランを一緒に検討します。
3.施工業者との打合せ
ケアマネジャー立ち会いのもと、リフォーム内容を決定し見積書を作成してもらいます。
4.市区町村に事前申請
必要書類にケアマネジャーが作成した「住宅改修理由書」を添えて、施工前に自治体に申請します。
5.施工、支払い
事前申請が認可されたら、住宅改修を行なってもらい、完成後に施工業者に支払いを済ませます。
6.市区町村に必要書類を提出
改修費の領収書、内訳、改修前後の写真など、必要書類を自治体に提出します。
7.改修費の支給
提出した書類をもとに、適切な施工が行われたことが確認されると介護保険から補助金が支給されます。
介護保険以外に利用できる制度
介護リフォームを行う際、介護保険以外に利用できる制度を2つ紹介します。
市区町村独自の助成金
市区町村によっては、介護リフォームに対して独自の助成金制度を設けている場合があります。
支給額や支給条件、支給対象となる工事の種類などは各自治体によって違いがありますので、役所に問い合わせて確認しましょう。
例をひとつ紹介します。
東京都港区では、「高齢者自立支援住宅改修給付」という助成金制度があります。浴槽や流し、洗面台といった水回りの設備の取り替えや、それに付随する給湯器の取り替え、洋式便器への取り替えなどに対して条件を満たせば助成金を支給しています。
住宅特定改修特別税額控除
住宅特定改修特別税額控除とは、バリアフリー改修工事や省エネ改修工事を行なった場合に、所得税の控除が受けられる制度です。
対象者は要支援、要介護認定者に限定されておらず、50歳以上であるか高齢者と同居していれば申請することができます。
対象となる工事内容も、介護保険の補助金申請対象となる工事と重なる部分が多いため、介護リフォームを行った際には控除が受けられるかどうかの確認をしましょう。
介護リフォームの例
介護リフォームでは具体的にどのような施工が行われるのか?実際に施工された事例を紹介します。
水回りの改修工事
施工期間・・・20日間
費用・・・420万円
身体が不自由になった被介護者が少しでも生活しやすくなるよう、水回りの改修工事を行いました。
浴室、洗面、トイレの面積を拡張し、車いすのままでも出入りしやすいようにしました。
浴室の扉は出入りしやすいよう引き戸を選択し、洗い場の床を滑りにくい材質に変更しました。ベンチを設置することで座りながらシャワーを浴びれるようになりました。
トイレはそれまでの約2倍となる1坪の空間へと拡張し、介護者が付き添えるスペースが生まれました。
洗面台は足元が収納ではなく空間となっている、車いすのまま使用できるタイプのものに交換しました。
玄関前のバリアフリー工事
施工期間・・・10日間
費用・・・87万円
被介護者が近い将来車いすでの生活になることを考え、門扉から玄関までのアプローチをバリアフリー化しました。
元々は玄関に階段があり、アプローチにも大きな石が敷き詰められていたため、車いすでは出入りがしにくい状況でした。
階段や敷石を撤去し、コンクリートで広めの幅を確保した緩やかなスロープを設けました。玄関ドア前で車いすの取り回しが楽にできるよう、広めのスペースも確保されています。
バリアフリー化と手すりの設置で車いすのままでも安全に出入りすることができるようになりました。
階段の手すり設置工事
施工期間・・・2日間
費用・・・32万円
階段と廊下に手すりを設置する工事を行いました。
手すりにつかまって移動することで転倒のリスクが減り、それまで控えていた2階への移動も積極的に行えるようになりました。
階段の各段には滑り止の施工をし、足元を照らす人感センサータイプの照明を追加することで、より安全性を高めることに繋がりました。
介護リフォームをする際の注意点
介護リフォームを行うにあたっての注意点を2点あげておきます。
介護保険の利用申請は必ず施工前に行う
介護リフォームは、規模によって数万円で済むこともあれば数百万円かかることもあります。介護保険の適用を受けられる工事であれば、確実に手続きを行い工事費用の負担を少しでも軽くしましょう。
申請については、事前と事後の2回行う必要があり、それぞれ提出する書類が異なります。リフォームが終わってから介護保険の支給があることを思い出しても、「時すでに遅し」となってしまいますので、施工前の段階で忘れずに事前申請を行うようにしましょう。
信頼できる業者を選ぶ
業者選びも介護リフォームを行う上で重要なポイントになります。
介護リフォームを得意とする業者かどうかを見極める方法として、ホームページで施工実績を確認したり、在籍スタッフに介護系の有資格者がいるかなどを確認しましょう。
施工業者選びは経験豊富なケアマネジャーと共に行い、できれば複数の業者から見積もりをとって比べるのがよいでしょう。
まとめ
介護リフォームは介護する側、される側、両方にとってメリットの大きいリフォームであるといえます。
介護保険のほか、自治体独自の補助金制度や所得税の減税制度など、活用することでリフォーム費用を抑えられる制度がいくつかあります。
それぞれ申請できる条件に違いがありますので、リフォーム内容とあわせてケアマネジャーに相談するとよいでしょう。
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