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地域包括ケアシステムとは?超高齢化社会に必要な新しい地域の輪
地域包括ケアシステムをご存じでしょうか。
同じような言葉を聞いたことがあっても、地域包括ケアシステムの内容について説明できる人は少ないのではないでしょうか。
そこでこちらの記事では、
・地域包括ケアシステムとは
・なぜ今地域包括ケアシステムが必要なのか
・地域包括ケアシステムの構成要素
について解説していきます。
よく耳にすることがある「地域包括支援センター」についても触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
終活のコレカラ 一級ファイナンシャルプランニング技能士/終活カウンセラー
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地域包括ケアシステムとは
地域包括ケアシステムは、増え続ける介護需要に対応するため、専門職から住民まで地域のひとりひとりが力を合わせ協力していくシステムのことを言います。
高齢化や介護サービスの需要には大きな地域差があるため、その地域の特色をふまえた上で主体的に必要なシステムを考え、作っていくことが重要になります。
要介護、要支援になっても自分が住み慣れた地域の中で、その人らしく暮らすためのサービスを受けられることが目的です。
市町村や都道府県が中心となるシステムのため、各市町村は2025年を目途に、3年ごとに策定する【介護保険事業計画】にて計画的に進めています。
地域の範囲としては、原則としておおむね30分以内に必要なサービスが提供される生活圏域(中学校区が目安)です。
地域包括ケアシステムの必要性
地域包括ケアシステムが今必要な理由としては、
・高齢化
・人口減少
の2点、いわゆる少子高齢化です。
日本の人口の高齢化は急激に進んでおり、2042年には65歳以上の人口が3900万人を越え、ピークを迎えます。
介護をする側の人材確保は、今後ますます難しくなっていくでしょう。
このように支える人が少ない【肩車型社会】では、要介護の認定を受けたとしても、充分なサービスが受けられなくなってしまうのです。
高齢者のひとり暮らしや老々介護も同時に増加するため、各家庭だけで解決できる問題ではありません。
そのため、今までは介護に関わってこなかった専門職以外の様々な層の人も、みんなで力を合わせて支えていくことが必要になります。
つまり、今まで病院や施設で担っていた役割の一部を、地域の人々によって自宅などでおこなえるようにしていくのです。
地域包括ケアシステムの5つの構成要素
地域包括ケアシステムは、5つの構成要素によって成り立っています。
ひとつずつ見ていきましょう。
「住まい」
自宅やサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)などの、要介護認定を受けた後も生活できる場所のことです。
高齢者が賃貸物件を借りる時の保証人の手配なども含まれます。
まず住む場所がないと他の要素は成り立ちません。
非常に重要な要素です。
「医療」
普段の診察、持病などを受け持つ、かかりつけ医や地域の連携病院。
急病や高度な医療が必要な場合に対応する、急性期病院、亜急性期病院、回復期リハビリ病院などが挙げられます。
「介護」
必要な介護を、必要な時に受けられるためのサービスや施設です。
連携を密に取ることで、より利用者に合ったサービスの選択が可能になります。
在宅・通所系
・訪問看護
・訪問介護
・通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・短期入所生活介護
また、これらを組み合わせた複合サービス
施設系
・介護老人福祉施設
・介護老人保健施設
・認知症生活介護
・特定施設入所者生活介護
「予防」
要支援や要介護にならないような予防、重症化しないための予防は非常に大切です。
自分で出来ることを増やし、日常生活をおくりやすくなります。
周囲の人からの働きかけだけではなく、高齢者が地域活動に参加することが介護予防につながるという考え方により、住民が主体的に運営するカフェや地域の交流サロンなどの開催も、広い意味での介護予防に欠かせないことです。
「生活支援」
見守りや安否確認、配食、買い物支援、食材の配達などのことです。
支援事業のスタッフ、家族はもちろんのこと、近隣住民、ボランティア、NPO法人などの活動も幅広く含まれています。
専門職でなくても参加しやすい分野のため、周知などを工夫すれば多くの方の協力が見込める分野です。
地域包括支援センターとは?
地域包括ケアシステムを構築していく上で欠かせない、地域包括支援センターについて説明していきます。
地域包括支援センターは、主に市町村(もしくは委託された事業者)が運営する、総合的な相談窓口です。
運営基準により原則として主任介護支援専門員(ケアマネージャーが研修を受けて取得できる資格)、保健師、介護福祉士が在籍し、連携をとって以下の業務にあたっています。
・介護予防ケアマネジメント業務
・総合相談支援業務
・権利擁護業務
・包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
介護関連について、どこに連絡したら良いかわからない場合でも相談できる窓口です。
地域包括ケアシステムの事例
地域によって、必要とされるシステムには大きな違いがあります。
65歳以上の割合が高い(割合は実施時)地域から、どのような事例があるのか2例見ていきましょう。
【人口減少集落での自助意識の啓発と地域づくり】鹿児島県肝付町
問題点:
65歳以上の人口は全体の37%を占めている。
地域的に孤立した限界集落、高齢者の単身世帯も多い。
取り組み:
ITネットワークの活用とボランティアによる見守り・交流 を軸に取り組み。
テレビ電話を導入した個人、集落間交流と助け合い、ボランティアによる安否確認、認知症徘徊模擬訓練など。
効果:
自助意識が高まり、集落同士の見守りや助け合いもしやすくなった。
ICTを活用することで集落のキーパーソンの負担軽減にもつながった。
今後の展望:
地域住民の意欲向上の継続。
テレビ電話の成功例から、タブレットなどを活用した事業拡大。
【鳥取型地域生活支援システムモデル事業(地域コミュニティホーム)】
鳥取県南部町
問題点:
65歳以上の人口は全体の31%を占めている。
高齢者の単身世帯の増加や年金受給額の低さが顕著。
取り組み:
既存住宅、公的施設などを改修し、地域住民とのつながりの中で可能な限り安価な「第三の住まい」を提供した。
効果:
年金生活者にも利用しやすい安価な料金設定の実現。
共同生活をおくることで単身世帯の方の安心感につながった。
今後の展望:
使用できる空き家探しや人材の確保、利用希望者や住民への普及啓発。
地域包括ケアシステムのメリットと問題点
地域包括ケアシステムのメリットと、今後の問題点について見ていきましょう。
地域包括ケアシステムのメリット
・継続的、一体的な医療と介護の連携
・認知症になっても自宅で生活しやすくなる
・多様な生活支援サービスが生まれる
・高齢者が社会参加をしやすくなる(元気であれば支援する側になれる)
地域包括ケアシステムの問題点
・連携が完全に整っているとはいえない(地域差)
・システムが住民に浸透していない
・担い手が不足しすぎている地域などの対応ができていない
地域包括ケアシステムでは、住民も含めて地域が一丸となって取り組まなくてはいけません。
支える側にも支えられる側にも、システム自体があまり知られていない状態を変えていく必要があるでしょう。
まとめ
これまで、
・地域包括ケアシステムとは何か
・地域包括ケアシステムの必要性
・地域包括ケアシステムの構成要素と事例
について説明してきました。
地域包括ケアシステムは5つの構成要素によって成り立つこと、それぞれの地域の特性に合わせ、背景を理解したシステム作りが重要なことはおわかりいただけたのではないでしょうか。
このような、自助、互助、共助、公助の連携は、今後もさらに必要性が増していきます。
介護を自分ごととしてとらえ理解し、主体的に動けるように普及・推進していくことが大切です。
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