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判断能力が鈍った場合に備えたい!生活保護でも成年後見人は利用できる?
自分で正しく判断ができなくなった場合に備えて、成年後見人制度を利用したいと考えている人達も多いのではないでしょうか。
将来的に認知症を発症することに不安を抱いたり、年齢を重ねることで判断能力が鈍る場合も多いため、そのような事態に備えることは大切です。
また本人や家族でなければできない手続きや財産管理なども法的に成年後見人として認められた人なら代行できるため、老後の不安を軽くすることもできます。
しかし金銭的な不安を抱いている人達からすれば、成年後見人制度を利用する際の費用が心配になるかもしれません。
そこでこの記事では、生活保護を受けながら成年後見人制度を利用できるのかについてご紹介をしていきます。
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生活保護を受けながら成年後見人制度は利用できる?
家庭裁判所に申し立てをすれば、生活保護を受けていても成年後見人制度は利用できます。
成年後見人制度の利用条件に所得制限は設けられていないため、たとえ収入や財産がなくても問題はありません。
認知症や障害などの理由により、自分で財産管理が難しい場合や法律行為が行えない場合に支援するための制度ですから、生活保護が理由で申請が却下される心配は不要です。
ただし成年後見人制度の利用を申し立てできるのは、基本的に本人・配偶者・四親等内の親族となっているため、注意してください。
また成年後見人制度の申し立てをする際には、必要書類の準備や費用の負担をする必要があります。
成年後見人の報酬支払いに利用できる制度
生活保護や金銭的に余裕がない場合でも、成年後見人に対する報酬支払いに利用できる制度がありますから安心してください。
基本的に成年後見人に対する報酬は利用者(被後見人)の財産から支払うのが原則ですが、条件さえ満たしていれば制度を利用できます。
つまり報酬を支払えるだけの財産がない場合や収入がない場合でも、金銭的な理由で成年後見人制度の利用を諦める必要はありません。
成年後見制度利用支援事業
各自治体が設けている福祉制度の一つになり、成年後見人制度の申し立ての費用や報酬の支払いなどに利用できる制度です。
細かい利用条件は各自治体によって若干の違いはありますが、基本的に判断能力が十分でない高齢者・障害者が成年後見人制度を利用する際に申請できる制度になります。
・成年後見人制度の申し立て費用の助成(上限10万円)
・成年後見人に対する報酬の支払い助成(全額又は一部)
・月額2万8千円か1万8千円の低い額(在宅生活かどうかで異なる)
成年後見人制度利用事業では、主に上記のような支援を受けることができるため、申し立て費用の負担も軽減できます。
ただ申請する本人が属する世帯全体の収入や課税額などによっては利用ができない場合もあるため、各自治体に確認してください。
成年後見助成基金
公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートが実施している支援制度で、高齢者や知的・精神障害などの人達が利用できます。
原則では利用者(被後見人)1人につき月額1万円の支援を受けることができ、最長5回まで(5年間)申請することが可能です。
ただし成年後見助成基金の申込みは毎年4月と定められており、いつでも申し込めるわけではありませんので注意してください。
・申し込みの時点で後見人が1年以上の後見事務を行なっていること
・利用者(被後見人)の親族以外が後見人であること
申し込みには上記の利用条件が設定されているため、成年後見人制度を利用する前には申し込みができません。
また、最長で5回(5年間)の延長は可能ですが、自然に期間が延長されることはなく、毎年必ず延長の申請が必要になります。
成年後見人を利用するメリット
財産管理の必要がない場合には、成年後見人を利用するメリットを感じないかもしれません。
しかし成年後見人の役割には身上監護も含まれるため、誰にでもメリットがある制度だといえます。
手続きを代行してくれる
成年後見人であれば、たとえ他人でも本人の代理人として様々な手続きを代行することができます。
財産管理は当然ですが、利用者(被後見人)の身上監護の役割も担っているため、生活をする上で必要になる手続きを代行してくれます。
例えば
・入院する際の同意書へのサイン
・介護施設などへの入居申し込み
・判断能力が鈍った被後見人が結んだ不要な契約の破棄手続き
これらの手続きに関しても、成年後見人であれば可能です。
また財産管理の面に関しても、家賃や光熱費の支払い等の生活に必要になる部分の手配を任せることもできます。
本人や配偶者そして家族でなければ難しい手続き関係を代行してもらえるのは、成年後見人の1番大きなメリットかもしれません。
親族の負担を減らせる
成年後見人制度を利用すると、親族に対して負担をかけずに済みます。
手続きなどのために足を運んでもらう必要がないため、精神的・肉体的な負担を減らせることになります。
家族などがいない場合は親族に代行をお願いする必要がありますが、成年後見人がいれば本人の代理人という立場で代行が可能です。
そのため疎遠になっている親族や遠方の親族にお願いする必要はありません。
また手続きなどのために仕事を休んでもらう必要もありませんから、負担をかける心配はないといえます。
成年後見人を利用するデメリット
財産管理や身上監護の役割を担う成年後見人ですが、利用する際にはメリットばかりではありません。
利用する際に感じるデメリットも把握した上で、利用するようにしてください。
手続きが大変
成年後見人制度を利用する際には必ず家庭裁判所への申し立てが必要になるため、必要書類を揃えるだけでも一苦労かもしれません。
本人(被後見人)の診断書や戸籍謄本などの書類が必要になり、時には成年後見人の判断能力の鑑定が必要な場合もあります。
費用の負担がある
成年後見人制度の申し立て・成年後見人への報酬などの費用を負担する必要があります。
家族が成年後見人の場合には報酬の支払いが行われない場合もありますが、弁護士や司法書士などが成年後見人の場合は報酬が発生します。
先ほどご紹介した2つの制度を利用すれば費用負担を抑えることはできますが、誰もが利用できる制度ではありませんから注意してください。
生前贈与が難しい
被後見人の財産を守る役割も担うため、生前贈与をしたくても難しくなります。
相続税対策などの理由から生前贈与を考える人達もいるでしょうが、第三者が成年後見人の場合には、本人の承諾が必須です。
しかし認知症などを発症している場合には本人の意思確認が難しい場合も多いため、思うように手続きができないこともあります。
成年後見人制度以外の支援制度
これまでは成年後見人制度についてご紹介してきましたが、高齢者向けの支援制度は複数あります。
介護サービスを利用した場合に申請できる制度から、自宅での介護のための制度まで色んな種類の支援制度があるため、状況に応じて申請してください。
高齢者向け住宅リフォーム助成制度
65歳以上の要支援・要介護認定を受けた人達が、自宅で過ごしやすいようにリフォームした場合に利用できる支援制度です。
バリアフリーや手すりの設置など、介護される人が安心して暮らせるように・介護者の負担軽減のためにリフォームをした場合の費用を助成をしてくれます。
この制度を利用できるのは、65歳以上の要支援・要介護認定を受けた人だけでなく、その人と同居する親族も申請可能です。
ただし、世帯全員の前年収入合計額が600万円未満の世帯が対象になるため、収入額によっては利用できないかもしれません。
高額介護サービス費
医療費が高額になった場合に利用できる制度の介護版になり、介護保険を利用したサービスの自己負担額が高額の場合に利用できます。
収入などによって限度額は変わりますが、自分の限度額を超えた場合、超えた部分の負担額の払い戻しを申請できます。
高額医療・高額介護合算療養費制度
医療保険と介護保険の両方を利用している世帯が限度額以上の負担をした場合に、限度額を超えた部分の負担額を払戻ししてくれます。
世帯全員の収入額によって限度額は変わってくるため、各自治体に確認をしてください。
地域包括支援センター
介護だけでなく、高齢者が生活をする上で必要になる医療や福祉などの相談に応じてくれる施設です。
相談の内容によっては、生活保護の申請・介護認定の手続きなども応じてくれるため、困りごとや分からないことがあれば利用してください。
まとめ
成年後見人制度というのは、認知症などで財産管理や法律行為が困難な場合に利用できる制度です。
家庭裁判所に申し立てる必要はありますが、所得制限は設けられていないため、生活保護を受給していても問題はありません。
成年後見人制度以外にも高齢者向けの支援制度はありますから、分からないことや困ったことが起きた場合には、地域包括支援センターを利用して相談してみましょう。
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