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老後に暮らすのはどちらがよい?「持ち家」と「賃貸」を比較
現在、持ち家に住んでいる人でも老後のことを考えた時、このまま持ち家に住み続けるか賃貸に引っ越すかで悩む人もいると思います。
子どもたちも独立し、夫婦二人で暮らすには間取りが広すぎたり、築年数が経過し老朽化が目立ってきたりとマイナスな点に目を向けだすと、「賃貸に移ったほうがよいのでは」と考える人も少なくありません。
この記事では、老後を見据えて「持ち家」と「賃貸」をそれぞれ比較してみることにします。
終活のコレカラ 一級ファイナンシャルプランニング技能士/終活カウンセラー
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老後に賃貸にするメリット・デメリット
まず、持ち家に住んでいる人が老後に賃貸に移った場合、どのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。
老後に賃貸で暮らすメリット
賃貸で暮らすメリットは主に次のような点です。
メリット①:住み替えがしやすい
賃貸であればライフスタイルの変化に合わせて、比較的気軽に引っ越すことができます。
若くて身体も元気なうちは気にならない立地条件(例えば急な坂道の多い地区)でも、歳を取るにつれて買い物の荷物運びひとつとっても身体への負担度は増してしまいます。運転免許証を返納して車に乗らなくなれば、銀行や郵便局に行くにも長い距離を歩いたりすることにもなるでしょう。
こうした身体への負担や通院機会が増えた場合でも、賃貸であれば交通網の発達した街中や、通院する病院の近くなどに引っ越すことが容易にでき、日常生活における負担の軽減にもつながります。
メリット②:維持管理費が抑えられる
持ち家の場合、住み続けることで建物や設備の老朽化が進みます。屋根や外壁、水回りや内装など10年を目途にメンテナンスすることになれば費用はすべて自己負担となります。
賃貸の場合でももちろん老朽化は進みますが、住人の過失による破損でない限り費用は貸主の負担となりますので、持ち家に比べて維持管理費はかからないのが一般的です。
メリット③:セキュリティがしっかりしている
賃貸物件にはオートロックや防犯カメラなど、セキュリティがしっかりした物件が数多くあります。高齢者が空き巣被害にあったり悪徳商法にだまされる割合は高く、年々増加する傾向にあります。
普段から鍵をあまりかけない習慣であったり、カメラ付きインターホンが設置されておらず訪問者を玄関に招いてしまいやすい状況が被害件数を増加させている原因ともいわれています。
犯罪者は事前に下見に来ることが多く、セキュリティがしっかりしていることが分かると狙われる確率は低くなります。
老後に賃貸で暮らすデメリット
デメリットは以下のような点が挙げられます。
デメリット①:家賃の支払いがずっと続く
賃貸は毎月家賃を払い続ける必要があります。老後の年金生活を考えた時、家賃の支払いは家計にとって大きな負担となります。
また、通常2年周期で更新料が発生し、家賃1ヵ月分を支払うことになります。
デメリット②:リフォームや改装が自由にできない
賃貸物件を勝手にリフォームすることはできません。生活しやすいように間取りを変えたり、バリアフリーにしたいと思っても貸主の許可が得られない限りできませんし、できたとしても退去時に元に戻す「原状回復」を求められることもあります。
老後に持ち家に住み続けるメリット・デメリット
次に、老後に持ち家に住み続けた場合のメリット・デメリットを解説します。
持ち家に住み続けるメリット
老後にそのまま持ち家で暮らすメリットは次のような点です。
メリット①:住居費の負担が少ない
持ち家であれば家賃を払う必要がありません。住宅ローンの返済を終えていれば、修繕費や固定資産税の支払いはあるものの住居費の負担は軽くなります。老後の年金生活を考えた時、大きなメリットとなります。
メリット②:自由にリフォームできる
賃貸では自由にできないリフォームやリノベーションも、持ち家であれば好きなタイミングで自由に行うことができます。
古くなった壁紙を好みに合わせて張り替えたり、使わなくなった和室をリビングとひとつにして開放感のある大きな居住スペースにするなど、自分の思い描く空間を作ることが可能です。
メリット③:資産となる
不動産として自分の資産の一部となります。子どもに相続財産として残すこともできますし、部屋貸しをして収入を得ることも可能です。
いざという時には、売却することによりまとまった現金を得ることができます。
持ち家に住み続けるデメリット
デメリットについても触れておきます。
デメリット①:税金や維持費がかかる
持ち家にかかる税金として、固定資産税や都市計画税があります。毎年納税する義務がありますので、賃貸にはない税負担となります。
また、老朽化した屋根の張替えや外壁の塗装など建物の修繕費用は自己負担となり、老後の家計に重くのしかかります。
デメリット②:引っ越すことができない
持ち家に住み続けるのであれば、家が建っている場所にずっと住み続けることになります。立地条件や周辺の環境が老後の生活に適さない場合でも、簡単に引っ越すことはできません。
建物は思い通りにつくりかえることができますが、環境はそうはいきませんので注意が必要です。
「賃貸」と「持ち家」どちらがよい?
老後に暮らすのは「賃貸」と「持ち家」どちらがよいのでしょうか。
結論をいえば、どちらが正解というのはありません。人それぞれ考え方や生活環境の違いがありますので、その人に合ったほうを選択できれば正解といえるのではないでしょうか。
ここでは、色々な角度から賃貸と持ち家を比較してみます。
毎月の負担額の違い
毎月発生する費用は以下のようになります。
賃貸・・・家賃、管理費
持ち家・・・ローン返済、管理費・修繕積立金(分譲マンションの場合)
家賃やローン返済の金額は、立地条件や間取り、借入金の額などによりかなりの幅がありますので一概にいくらとはいえませんが、住宅ローンの返済が終わっていれば圧倒的に持ち家の方が負担額は少なくなります。
維持費の違い
維持費について比較してみます。
賃貸・・・保険料、更新料
持ち家・・・固定資産税・都市計画税、保険料、修繕費
賃貸の保険料、更新料は2年ごとの契約更新時に必要となりますがそれほど大きな額ではなく、維持費の負担は軽くなります。一方、持ち家では税金のほか、修繕費用が高額となることも多く、臨時の出費を覚悟する必要があります。
住みやすさの違い
住みやすさで比較するとどうでしょう。
賃貸・・・適度な広さの物件を選べる、生活環境のよい場所に住める、セキュリティがしっ かりしている
持ち家・・・自分好みにリフォームできる、ペットが飼える、隣との距離がある(騒音問 題)、セキュリティがしっかりしている(分譲マンション)
住みやすさを比べると持ち家のほうに分があるといわれています。理由は持ち家のほうが自由度が高いためです。
賃貸がオススメの方
老後に賃貸への移住が向いている人の特徴をいくつか紹介します。
・持ち家の築年数が古く、資産価値が低い物件を所有している
・間取りが広く、2階への昇り降りや使っていない部屋の掃除などが負担となっている
・老後の生活資金に余裕がある
・持ち家を相続させる人がいない
新しい環境に馴染むのが得意で、フットワークの軽い人も賃貸への移住が向いているといえるでしょう。
持ち家がオススメの方
持ち家に住み続けたほうがよい人の特徴も紹介しておきます。
・住宅ローンが完済している
・立地条件がよく、資産価値の高い物件を所有している
・老後生活で居住費に対する負担を減らしたい
・子どもに持ち家を相続させたいと考えている
近隣住人との関係が良好で、老後はお互い助け合いながら生活したいと考えるなら、持ち家に住み続けることをおすすめします。
持ち家を賃貸にして住み続ける方法は?
老後に多額の住宅ローンが残っていたり、生活資金が不足するなどの事態に陥った時には持ち家を売却することを検討しなければなりません。
しかしながら、「住み慣れた自宅を離れたくない」と思う人も多くいます。この問題の解決策のひとつとして「リースバック」があります。
リースバックとは、不動産会社やファイナンス会社に自宅を売却し、その後賃貸契約を結ぶことで住み慣れた家にそのまま住み続けることができる仕組みです。
まとめ
老後の生活には様ざまな選択肢があります。どのような生活を送りたいかによって、持ち家か賃貸かを判断することになります。
できるだけ早い時期に老後のライフスタイルを想定し、メリット・デメリットを踏まえた上で自分に合った住まいを探すようにしましょう。
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